緑内障は目の中を循環する房水が流れにくくなり、眼圧が上昇することにより発症しますが、発祥の過程はいくつかのタイプに分かれます。また、そのタイプによって治療法も異なります。
1.正常眼圧緑内障
日本人の患者の過半数を占める、眼圧検査の数値が正常範囲内(10~21mmHg)であっても発症する緑内障です。進行が緩やかで症状が出づらいため気付きにくく、見え方に異常を感じて眼科を受診したときはかなり進行しているケースが多いのがこのタイプです。患者さんには高齢、近視の方が多いのが特徴です。老眼になったら、緑内障の検査を受けましょう。
2.原発開放隅角緑内障
房水の流出路「隅角」が、見た目は開放されているのに目詰まりを起こし、房水がうまく流出されず眼圧が上昇し発症する緑内障です。多くのケースは自覚症状がなく、見える範囲が徐々に狭くなっていきます。正常眼圧緑内障もここに含まれます。
3.原発閉塞隅角緑内障
房水の流出路「隅角」が狭くなり閉じてしまうことで、房水の流出が阻まれ、眼圧が上昇し発症する緑内障です。急速に流出路である隅角が閉じてしまい、劇的に眼圧が上昇する「急性緑内障発作」が起きると、激しい眼の痛み、頭痛や吐き気に襲われます。このような症状が出たら、速やかに眼圧を下げる治療を受けましょう。
4.続発緑内障
網膜剥離、糖尿病網膜症、角膜の疾患、病気や怪我、ステロイドなどの薬剤使用が原因となり、眼圧が上昇して発症する緑内障です。このタイプは単に眼圧を下げる治療をするだけでなく、元にある疾患の治療をすることも大事です。
5.先天的緑内障
房水の流出路「隅角」が生まれたときから未発達なことが原因で眼圧が上昇し、発症する緑内障です。10歳までに発症する早発型と、20代までに発症する遅発型があり、早発型の多くは手術が必要となります。